November 15, 2005

再訪ETHZ

6月にスイスのビュルクドルフの専門学校からレクチャーの招待を受けたときに、3年ぶりに客員教授の仕事のミーティングのため訪れました。ETHZのキャンパスは町中と、ヘンケルベルグという丘の上の牧草地の中の2つに分かれていますが、建築学部は大きな学部で、スタジオなど広いスペースを必要とするので、ヘンケルベルグの中にあります。わたしのいた9年前は、牧草地の中に、建築学部のある茶色い70年代の建物と、それ以外にその他の学部が入った青い建物が並んでいるだけでしたが、その後、教授でもあったマリオ・カンピによる科学の校舎や、カフェやコンビニエンスストア、本屋、材料購買部のための店舗の建物などができて、すっかり街になって、見違えるようです。現在はさらにここに学生寮や文化施設も建てよう構想が立ち上がっているようで、敷地の北側に工事現場が展開しつつあります。その便利さは嬉しいのですが、よく友人と牧場の牛をみながらのんびりと屋上で昼ごはんを食べたりしていた私としては、ちょっと残念な気もしましたが。
建築学部には主任、会計、学生担当、一般の4人の事務官がいて、わたしがなにかするときは、それぞれの担当のところにいかなくてはいけません。ミーティングでは、給与や交通費のこと、全13週ある1学期のカリキュラムの内容と進め方のこと、スタジオのアシスタントの公募について話しました。交通費についてはETHZが払うとのこと、全13週全部スイス滞在するのは大変なので、2週に一度ぐらいの8週間で行うこと、その期間日本の大学でサバティカルをとること、世界の都市での戸建て住宅の課題をしたいこと、日本へのセミナー旅行を企画したいことを話し合い、アシスタントは3名が運営上よいと強く奨められました。
また主任教授ともあって挨拶をしましたが、「スタジオ運営については全権を委任するので自由にやってほしい」「ETHZは元来しっかりとした実務を教育する組織なので、その点を盛り込んでほしい」「生徒たちの視野を広めるような教育を考えているので、他の分野の技術者とコラボレーションするようなことを考えてほしい」の3つをいわれました。
話し合いが終わって、とにかく、それまで、紙一枚がきただけで、「本当に教えるのかなあ」と不安に思っていましたが、事実であったことが、改めてひしひしと感じられてきました。

Written by KAIJIMA Momoyo : November 15, 2005 09:38 AM