November 16, 2005

アシスタント

ETHZは卒業までに最低でも5年と半年かかります。4学期の基礎コース、10ヶ月間のインターン、その後4学期の上級生コース(これが日本の大学院ぐらいに相当)、約3ヶ月のディプロマです。ただ、実際にはこちらの学生はそれほどストレートではでません。途中に休みの学期をいれたりして、じっくりやっている人が多いのです。
わたしの担当するスタジオは、上級生の5学期から8学期の学生が選択する設計課題のスタジオです。15ぐらいのスタジオがあり、そのうち4スタジオは、専任ではない、客員教授で、スイス国内、海外からの建築家のスタジオです。つまり、約2/3はETHZらしい、かちっとしたカリキュラムで行い、それらを相対化するようなものとして、別の建築のスタイルや文化を取り入れるための枠組みが用意されているわけです。
 ひとつのスタジオの学生数は、専任教授は60名、客員教授は24名〜35名が定員です。わたしのスタジオは、24名を定員にしてもらいました。
またスタジオ運営には、アシスタントがいます。彼らの多くはETHZを卒業した20代から30代前半の建築家で、それはスタジオの規模に応じて2人から10人ぐらいまでですが、トータルすると200人以上アシスタントが建築でいるというのですから、いかにアシスタントというポジションが重要なのかがわかるでしょう。
 彼らは学生と教員をつなげる役割を担っていて、この仕組みのおかげで大学には、若手の建築家たちが自然と集まってくる。もちろん将来の教育に携わる人々の訓練の場にもなるわけですし、若手をサポートするシステムにもなっています。
 わたしのスタジオでは、事務官のひとから奨められたように、3名のアシスタントをお願いすることにしました。最初の2名については、わたしのスイス留学時代からの友人でもある、日本人の建築家とスイス人の建築家に打診したところ、快く引き受けてもらえました。あとの1名については公募することになり、30名近くがポートフォリオを送ってくれましたが、面接の結果、主に雑誌の編集、建築批評をしているスイス人の建築家にお願いすることになり、3者3様の頼もしいアシスタントチームになりました。

Written by KAIJIMA Momoyo : November 16, 2005 09:49 AM